相続

人が亡くなりますと、相続手続きが発生します。相続が開始されますと、相続財産の調査・相続人の確定・遺産分割協議・名義書換・相続税の申告・納付の手続き等をしなければなりません。相続の手続きには期限が設けられているものや、順を追って手続きしないと先へ進めないものなどもあります。身近な方が亡くなって、精神的にも肉体的にも大変な状態のときに、これらの手続きを進めていくのはかなり厳しいものがあります。
弊事務所では、ご遺族に寄り添いながら、これらの手続きを分かりやすく丁寧にご説明の上、進めさせていただきます。


相続の基礎知識

相続の基礎についてご説明させていただきます。
亡くなられた方を「被相続人」、遺産を引き継ぐ人を「相続人」といいます。

 

 

相続の意義

相続とは人が死亡した場合に、その人の財産・権利・義務等が、その人と一定の関係にある人に相続されることを言います。相続が開始されると、まず相続人の確定、次に相続財産の確定、さらに相続財産をどのように分割するかを確定して分配することになります。

 

 

相続人の確定  (民法900条)

まず、配偶者(夫や妻)は、血族相続人とは別に、常にそれと並んで相続人になります。血族相続人には、子・直系の両親・兄弟姉妹があり、それぞれ相続の順位があります。
相続人の確定をするためには、被相続人と相続人の戸籍を調べます。現在の家族が知らない前妻との子なども、戸籍を調べることにより明らかになります。

 

相続に必要な戸籍謄本について

・常に相続人

配偶者

 

・第1順位

被相続人の子

 

・第2順位

直系の両親(第1順位の相続人がいないときに、初めて相続人になります)

 

・第3順位

兄弟姉妹(第1順位・第2順位の相続人がいないとき、初めて相続人になります)

 

 

法定相続分  (民法900条)

法定相続分とは、民法で定められた分割割合です。遺言等で分割割合の指定がない場合や、遺産分割協議で法定相続分の通りに分割するといった場合に適用されます。
各相続人の法定相続分は、相続人の順位の組み合わせにより異なります

*配偶者が亡くなっていて、相続人が子供と両親だった場合は、第1順位の子供が全て相続します。
*配偶者が亡くなっていて、子供がいなく、相続人が両親と兄弟姉妹だった場合は、第2順位の両親が全て相続します。

 

 

代襲相続  (民法889条)

代襲相続とは、相続開始以前に相続人となるべき子が亡くなっていたときに、さらにその子(被相続人からみたら孫)が、亡くなった子に代わって同一順位で相続人となり、亡くなった子が受けるはずだった相続分を相続することができる制度です。

代襲相続は、直系の子の場合、孫・ひ孫と相続の権利が続いていきますが、兄弟姉妹の場合は、一代限りとなります。
子が相続放棄をした場合、代襲相続は発生しません。

 

代襲相続について詳しく

 

 

相続人になれない人

相続欠格  (民法第891条)

相続欠格とは、故意に被相続人を死亡するに至らしめたり、遺言書を偽造したりした者で、被相続人の意思に関係なく法律上相続人たる資格を奪う制度です。

 

廃除  (民法第892条・893条)

廃除とは、相続人が被相続人に対して、虐待や重大な侮辱等をしたときに、被相続人の意思によって相続人の資格を奪う制度です。

 

前項の代襲相続ですが、相続欠格・廃除で本人に相続の資格がなくなった場合、その子には代襲相続が認められます。そのため、欠格や廃除になって本人に相続権がなくなっても、子に代襲相続させ、その金銭を自分の物にしてしまうというような事が起こり得るため、実効性がない規定とも言われています。

 

相続の廃除・欠格について詳しく

 

 

相続の単純承認・限定承認・放棄

単純承認  (民法第920条)

単純承認とは、相続人が被相続人の財産・権利・義務を無制限に相続する制度です。プラスの財産だけでなく、借金があれば借金もすべて相続します。

 

限定承認  (民法第922条)

限定承認とは、相続で得た財産を限度として借金を相続する制度です。つまり財産が100万円で借金が150万円だったときに、借金は財産額の100万円だけ引き受ければよく、残りの借金50万円は相続しなくてもいいという制度です。手元に財産は残りませんが、借金も残らないことになります。プラスの財産が借金より多ければ、差引プラスの分が残ります。
相続する借金がどの程度あるか不明のときに有効な制度です。
限定承認は、共同相続人全員が共同してのみ行うことができます

 

限定承認の手続きについて詳しく

 

放棄  (民法第939条)

放棄とは、相続人の地位を確定的に放棄するもので、初めから相続人でなかったのと同様の効果となります。

 

意外に面倒な放棄の手続き


不動産の相続放棄

 

 

熟慮期間  (民法915条)

熟慮期間とは、上記の単純承認・限定承認・放棄を決める期間です。原則として、相続人が自分に相続があったことを知った日から3ヵ月以内となります。3ヵ月以内に意思表示をしなかった場合は、単純承認をしたとみなされます。多額の借金があり、限定承認か放棄をしようとする場合は、3ヵ月以内に手続きをしなければなりません。限定承認・放棄をする場合は、家庭裁判所に申述しなければなりません。

 

 

遺留分  (民法1042条)

遺留分とは、相続人である配偶者・子・直系尊属(両親)に、法律上取得することが保証されている相続財産の一定割合です。遺留分は、配偶者と子供は法定相続分の2分の1、直系両親は法定相続分の3分の1となります。兄弟姉妹に遺留分はありません。この遺留分を請求する権利を、遺留分侵害額の請求権といいます。
遺留分は請求するのもしないのも本人の自由です。

 

 ≪例≫
夫婦と子供2人の家族で夫が亡くなった場合、遺産額100万円とすると、妻の法定相続分は50万円、遺留分はその1/2の25万円、子供の法定相続分は1人25万円、遺留分はその1/2の12万5千円となります。
遺産額100万円を妻に全額相続させるという遺言があった時に、子供は遺留分侵害額の請求をすれば、1人12万5千円相続することができます。

 

遺留分について詳しく

相続の流れ

相続に関するQ&A

相続人のうちの1人と音信不通で連絡が取れないのですが、不在のまま相続の手続きを進めてもいいですか?

 

 

相続人が不在のままの相続は無効になってしまいます。どうしても行方が分からないのであれば、家庭裁判所に不在者財産管理人の申し立てをする等の方法があります。

 

被相続人に莫大な借金がありました。どうすればいいですか?

 

 

相続の限定承認か放棄をすれば、借金を全額相続する必要はなくなります。なお、熟慮期間の3ヵ月以内に家庭裁判所に申述する必要があり、3ヵ月を過ぎると単純承認となってしまうので、注意が必要です。

 

先日死亡した父が保証人になっていました。相続人の誰かが引き続き保証人になる必要はありますか?

 

 

保証の内容により異なりますが、具体的に金額の決まった借金等は相続の対象となります。また、身元保証などの場合は、被相続人の一身に専属する権利となるので、相続の必要はありません。

 

養子になった場合、元々の実家の遺産相続をする権利はなくなりますか?

 

 

養子になっても実家の遺産を相続する権利はあります。ただし、特別養子縁組をした場合は、相続権はなくなります。

 

介護をしてくれた長男の嫁に遺産を残すことはできますか?

 

 

長男の嫁に相続権はありません。令和元年7月の民法改正により、介護等をした人は、法定相続人以外の人でも、被相続人の親族であること等の要件はありますが、特別寄与者として特別寄与料を請求できるようになりました。あくまでも、相続人になるわけではなく、特別寄与者として認められるということです。遺産を残したいという明確な意思があるならば、遺言をしておくことをお勧めします。

民法改正 特別の寄与

 

内縁の妻に相続権はありますか?

 

 

内縁の妻に相続権はありません。ただし、相続人が誰もいないときに特別縁故者として、相続が認められる場合があります。もちろん遺言をしておけば認められます。

 

内縁の妻の子に相続権はありますか?

 

 

認知をされていればありますが、されていなければありません。

 

母親のお腹の中にいる赤ちゃんに相続権はありますか?

 

 

生まれる前の赤ちゃんにも相続権はあります。生まれる前の赤ちゃんは、相続については既に生まれたものとみなします

 

 

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